業種:製造業
お悩み:複数の通信手段を確保したいが、何か良いものはないか。
東日本大震災以降の災害時の通信手段の変遷
2011年3月の東日本大震災の発生後、長時間にわたり電話がつながりにくい状態が続いたことから、多くの企業が電話に代わる第二、第三の通信手段として、当時まだ巨大なインフラが残っていたPHSや、遠距離での通話が可能なMCA無線、衛星電話等を導入しました。
しかし、PHSのサービスが終了し、MCA無線と衛星電話もイニシャル、ランニングともにコストが高かったことから、2018年頃から契約更新のタイミングで見直しが進みました。ちょうど無線機がアナログからデジタルに切り替わるタイミングとも重なり、日常の業務でも使え維持費が安いIP無線機が人気となり、MCA無線と衛星電話からの移行が進みました。
キャリアの大規模障害をきっかけに、さらに見直しの動きが活発化
しかしながら、毎年の様にキャリアで大規模障害が発生し、simカードを差しキャリアの回線を使うIP無線機も影響を受けたことから、2022年の夏頃から、さらにもう1つ災害時の連絡手段を確保したいというお声を多く聞く様になりました。
こうした背景の中、コストがこなれた衛星電話のサービスが登場したことから、今再び衛星電話が注目されています。
- 2018年12月:ソフトバンク系約3060万回線で4時間25分にわたり障害発生
- 2021年10月:NTTドコモで29時間6分の障害発生
音声通話460万人、データ通信830万人以上に影響。 - 2022年7月:KDDIで過去最大規模といわれる86時間の障害が発生
最大で3915万回線に影響
衛星電話とは
通信衛星には、赤道上36,000kmで地球の自転速度と同じ速度で周回し、地上からいつも同じ位置に衛星がある静止衛星と、地上から780km上空の低軌道を、数十個の衛星が周回し次々と切り替わりながら通信ができる周回衛星の2種類があります。
静止衛星は特定の方向にアンテナを向ける必要がありますが、一度捕捉すると安定的に送受信が可能。一方、周回衛星は方向は関係ありませんが、常に衛星が移動しているのでやや不安定です。
近年、端末価格や維持費がこなれた静止衛星の機種が発売されたことから、企業の経営層、医療関係者などが予備の通信手段として導入する事例が増えています。
災害時の強み
衛星電話は、衛星電話同士の通話ではなく、衛星電話から通常の電話につながる点が最大の強みです。災害被害のあったエリアから発信し、衛星経由で海外の被害を受けていいない地上設備につながり、そこから国際電話として日本の電話機に転送されてきます。
本社から支店等への一斉伝達はIP無線機を使い、役員等の幹部への連絡には衛星電話を使うという使い分けをする事例も増えています。
弊社では、お客様のご要望に応じて、機種の選定から導入までを無線機の専門家がサポートいたします。